縦割り保育という保育方法をご存知でしょうか?
同年代の子供をまとめて保育するという保育方法が一般的だと考えられがちですが、実は色々な年代の子供達を混ぜる縦割り保育も導入されつつあるのです。
今回は縦割り保育についてご紹介していきましょう。
縦割り保育って何?
縦割り保育は異年齢保育とも言います。教育方針から異なる年齢の子どもが一定の割合で配分される場合もあれば、子供の数が少なく結果として縦割り保育となる場合もあります。
また、普段の保育は同年齢で行うがお昼寝等一部の時間は縦割り保育で行う、朝の集会だけ縦割り保育にする、3歳からは縦割り保育と年齢で区切る場合もあります。
兄弟のように異年齢の子供たちが関わる姿を見ることができるので、自由に伸び伸びとした保育として保育士から人気な保育方法となっています。
縦割り保育を行う保育士のメリットとは?
子供達の普段見られない姿を見られる
同年齢の保育では保育士が子供の考え方の先頭になったり、物事を教えたりしますが、縦割り保育では年長がその役割を担うこともあります。
例えば子供達の喧嘩を年長の子供が仲裁して、それほど深刻な問題にならなかったことも。
子供達の成長を見ることで、保育士も保育を楽しむことができます。
縦割り保育を行う保育士のデメリットとは?
指導計画の策定が難しい
縦割り保育の場合は子供達の発達に関する深い知識や、独自の指導計画が必要になります。
保育する子供達の年齢層がバラバラなため、何度も指導計画を見直したり再調整したりする必要が出てくるでしょう。
保育士の能力が要求されるため負担も増えますが、園全体でサポートをすることで縦割り保育を成功させることができます。
具体的には、縦割り保育のねらいを軸としてどのように保育を進めていくか、保育士はどのように保育を進めるかをシミュレーションしながら書留めていくことが大切です。
それぞれの子供達の視点で考えていき、子供達がどのようなことをしてほしいのかを考えていきます。指導計画を作る際は、保育士がどの様な援助をするべきかをよく考えていきましょう。
設定する活動内容では、基本的に4歳を対象としながら、時間を多めにとることで幼少の子供にも対応できます。
特別な配慮が必要な子供への対処が必要
縦割り保育では特別な配慮が必要な子供への対処も考えなくてはいけません。
特に自閉症の傾向がある子どもは急な環境の変化で不安定になるため、その子が安心して接することができる保育士が近くで見守る等の対処が必要になってきます。
縦割り保育を行う上で保育士が注意することは?
子供達の安全に気をつける
一般的に縦割り保育を行う場合、年長が年少の世話をする傾向があります。しかしいくら年長といっても、まだ5才児です。年少のお世話を任せっきりにするわけにはいきません。
年長の子がお世話をすると張り切りすぎて事故を起こしてしまうこともあるので、いつもより安全に気を付ける必要性もあるでしょう。
子供達への働きかけにも注意する
縦割り保育により遊びなどの保育の内容が年少向けになってしまうため、年長の子供達はつまらなく感じることもあります。
そのため、年少同士や年長同士で固まって遊ぶこともあります。
保育士の皆さんは率先して年長の子供に年少の子供と関わる機会を与えたり、関わりを楽しめるように働きかけていきましょう。
乳児との関わりにも注意
乳児も一緒に縦割り保育をする場合、安全面に注意しなくてはいけません。
乳児が同じ部屋にいることで他の子供達にとっても思いやりの気持ちが生まれるので大きなメリットもあります。
しかし、活動内容によっては乳児に危険が伴いますので、部屋を分ける等の対処は必要な場合もあるでしょう。
縦割り保育で得られる良い効果
異年齢の子供との関わりが増える
最近は一人っ子の家庭が増えているため、子供達は他の年代の子供達と関わる機会がかなり少なくなっており、その分成長できる面も限られてしまいます。例えば、自分より年下の子どもと関わる思いやる、気遣うという感情が生まれにくくなるのです。
しかし、縦割り保育は異なる年代と簡単に触れ合う機会を持つことができるます。
そう考えると縦割り保育は、一人っ子家庭が増えた今にピッタリな保育方法と言えるかもしれませんね。
子供達の関係性が成長を促す
子供達は成長の中でどうしてもこれが出来る出来ないという競争をして、他と張り合ってしまいます。
すると比較的な面が捉えられがちになってしまいますが、縦割り保育で他の年代の子供達と関わることで競争的に相手を感じ取らなくなります。
相手は自分と違うということを自然に受け入れられるようになるでしょう。
子供達にとって社会性や協調性を学ぶ機会となる
どの子も年上や年下という立場を経験するため自分より小さい子を可愛がったり、リーダー性を発揮したり、反対に年長の子に教えてもらったり色々な経験をすることができます。
年少は年長の遊びの様子を見て学び、年長は年少の世話をすることで刺激を受け、思いやりの心を育てることができるのです。
自分よりも弱い人を助け、自分に優しくしてくれる人を慕うことで、自分も誰かに優しくしたくなるという人に対する尊敬や憧れという人の基盤となる気持ちを作ることができるかもしれませんね。
縦割り保育は保育士にも子供にも良い効果がある!
縦割り保育は子供にとっても良い効果があるということが分かりましたね!
保育士の皆さんは注意することが増えて大変・・・と思うこともありますが、子供の成長した姿をたくさん見ることができるので、やりがいを持って働くことができるでしょう。
今転職を考えている場合は、ぜひ縦割り保育を行なっている保育園も考えてみてください。
自分のキャリアアップに繋がったり、新しい視点で保育ができるかもしれませんよ!